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オンライン版TOEICでスコアが上がる人・スコアが下がる人

2024/05/08

いつでもどこでも受験ができ、全90問、約60分という手軽さが特徴的なオンライン版TOEIC L&Rテスト。「取り組みやすい」と感じる方が多い一方で、マークシート版と比べて、スコアが上がる人とスコアが下がる人がいます。なお、大前提として、オンライン版とマークシート版のスコアの価値は同じですし、客観的なテストの難易度としては、オンライン版のほうがスコアが取りやすい・取りにくいといったことはありません。

スコアが上がる原因

それでもスコアが上がることが多いのは、初級者です。マークシート版の場合、約2時間という時間の長さに加えて、初級者も上級者も同じ問題に取り組むため、初級者にとっては難しい問題にも大量に触れることになります。解けない問題の中に一部解ける問題があるとはいえ、自分のレベルを超えるものに大量に触れていることの疲労感は想像に難くなく、実力を出せないケースも多々あります。

一方で、オンライン版では、リスニングとリーディングともに、Unit 1の正解数によって、Unit 2の問題が変わります。つまり、Unit 1である程度正解できると、Unit 2はより難しい問題が登場しますが、Unit 1であまり正解できない場合には、Unit 2に登場する問題がより易しくなります。

初級者にとっては、Unit 2の問題が易しくなりますから、制限された難易度の中で解答することができるため、実力が出しやすく、それが本来の結果につながります。その結果、マークシート版よりもオンライン版の方がスコアが高いケースが発生します。

スコアが下がる原因

上の例とは逆に、マークシート版のスコアと比べると、オンライン版の方がスコアが低く出る方もいます。このケースは、500~650点の方に多い印象があります。

ポイントは、普段の学習です。英語力や情報処理能力といった知識やスキルよりも、問題タイプ別アプローチや解き方などテスト対策を追求することでスコアを伸ばしてきた受験者は、オンライン版ではスコアが伸びにくい方が多いように見受けられます。

特にマークシート版においてPart 3(会話問題)とPart 4(説明文問題)を「設問を先に読むこと」に依存して内容を理解している場合、オンライン版においては設問を先に読む時間がほぼないことに戸惑い、正解数が大きく下がっていることが原因です。

オンライン版でスコアの変化がある場合、上がった場合は実力が出やすかったこと、下がった場合は、学習に課題があるのが一般的です。特にオンライン版でスコアが下がった場合には、純粋に聞く力や読む力といったスキルが不足していると考えられるため、解く練習ではなく、スキルを磨くことに取り組むのが効果的です。

次回のテーマは「スピーキング力の3つのステージ」です。

早川幸治

SEから英会話講師へ転身。その後、TOEIC対策を中心とした英語セミナー講師として、これまで大手企業からベンチャー企業まで全国約200社以上での研修を担当してきたほか、大学や高校でも教える。脳や心の仕組みを活用した学習法を提唱し、上達の本質を英語学習に応用している。
高校2年で英検4級不合格から英語学習をスタート。苦手意識を克服した後、TOEIC 990点(満点)、英検1級。著書は50冊以上。雑誌連載のほか、企業における学習コンサルティング、セブ島留学TOEICプログラム監修、「英語思考」を用いた日本語プレゼン研修も担当。2011年5月から毎日英単語メルマガ「ボキャブラリーブースター」を配信中。

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