【英語研修お役立ち情報】英語を使えるようになる方法
単語力や文法力は運用力の土台となりますが、単語や文法を学んだだけでは、なかなか英語を使えるようにはなりません。楽器演奏においても、楽譜を覚えるだけで弾けるようにならないことに似ています。楽器上達のプロセスが「弾きながら弾けるようになる」のと同様に、英語上達のプロセスも「使いながら使えるようになる」です。
そのために大切なのが、インプットとアウトプットの間を狭めることです。ここには2つの意味があります。
1つは、インプットとアウトプットの量の差を埋めることです。
インプット量10に対して、どのくらいのアウトプット量かを考えてみるとよいでしょう。「インプット10対アウトプット1以下」という方も少なくありません。単語や文法などインプット学習は知識につながりますが、話したり書いたりするアウトプット学習はスキルにつながります。インプットとアウトプットの量の差を埋めるとは、知識とスキルのギャップを埋めることへとつながるのです。
インプットとアウトプットの間を狭めるもう1つの意味は、インプットしてからアウトプットするまでの時間差を埋めることです。
つまり、学んだものをすぐに使う流れを作ることで、インプット即アウトプットが可能となります。そのためには、「どのような英語を身につける必要があるのか」を明確にしたうえでインプットを行い、それを実践でアウトプットすることが大切です。
Necessity is the mother of invention.(必要は発明の母)という言葉がありますが、「必要は上達の母」でもあります。「どのような場面で英語を使うのか」を明確にすることで、身につけるべき「必要な英語」が明確になります。
英会話レッスンで教材に沿って学習することも効果的ではありますが、明確化した「必要な英語」に沿ったものであればあるほど、身に付くスピードが速くなります。ここでのポイントは、学ぶものが「見本」になるかどうかです。必要な英語を見本として学び、徹底的にマネして使うことで、スピーキングの場合にはスムーズに口から出てくるようになりますし、ライティングの場合には素早く書くことができるようになります。
ドライブにおいても「目的地」を決めることで、必要な経路が明確になるように、英語運用力を身につけることにおいても、「どのような英語が必要か」という目的地を決めることで、学ぶべき英語が明確になります。「まずは中学英語から」というボトムアップ型アプローチも大切ですが、「目的地から落とし込む」というトップダウン型アプローチによりインプットとアウトプットの間を狭めることができます。
SEから英会話講師へ転身。その後、TOEIC対策を中心とした英語セミナー講師として、これまで大手企業からベンチャー企業まで全国約200社以上での研修を担当してきたほか、大学や高校でも教える。脳や心の仕組みを活用した学習法を提唱し、上達の本質を英語学習に応用している。
高校2年で英検4級不合格から英語学習をスタート。苦手意識を克服した後、TOEIC 990点(満点)、英検1級。著書は50冊以上。雑誌連載のほか、企業における学習コンサルティング、セブ島留学TOEICプログラム監修、「英語思考」を用いた日本語プレゼン研修も担当。2011年5月から毎日英単語メルマガ「ボキャブラリーブースター」を配信中。