TOEIC®のPart 7読解問題を解くための心得
TOEIC®や英検®の英語試験の多くに長文読解問題があります。
TOEIC®の長文読解問題(Part 7)は、リーディングセクションの100問題の半分以上を占める54問題です。さまざまな試験の長文読解と比べてもTOEIC®の長文読解問題はシンプルでわかりやすい問題ばかりです。例えば英検®の誤答は誤答に含まれる一部は正しい情報だったりと、紛らわしい誤答になっていることがありますが、TOEIC®の場合は解答の根拠が明確にある質問ばかり。しかもビジネスの専門的な知識は一切必要ありません。読む力さえあれば、解けるように設計されているので、情報を正確に読み解いて、たくさんある問題を確実に正解していきましょう。
Part7で点数をしっかり稼げるようになると高得点をとれるようになりますので、そのためのヒントをお届けします。
【ヒント1】解答が本文で明言されているかを質問から理解する
What is _____ about ~? という質問文の空所に入る単語はいくつもありますが、質問の文言を見れば、答えの根拠となる内容が「明言されているか」「推測しないといけないか」がわかります。
- ◆明言されていることを意味する質問
What is stated about ~?
What is true about ~?
What is mentioned about ~?
What is indicated about ~? - ◆明言されていないが、推測できることを意味する質問
What is suggested about ~?
What is implied about ~?
What can be inferred about ~?
What is most likely ~ (going to do)?
明言されているか明言されていないかで、質問の性質が違います。
明言されていることは質問文の中にある単語そのものや同義語を探せば答えが見つかります。しかし、推測しなくてはいけないことを示唆する単語が設問で使われている場合は直接的には記載されていないため、本文から拾い集めた情報を基に、正解を導き出す必要があります。つまり、広域に情報が散りばめられているのです。読むべき範囲をヒントにして、解答を探しましょう。
【ヒント2】NOT問題は後回しにして丁寧に解く
NOT問題は大文字で強調されているので、テストの中でも目立ちます。
例えばWhat is NOT mentioned about ~?「~について述べられていないのは何ですか?」といった質問があり、文中で述べられていない情報を探さないといけません。稀に本文に書かれていることに矛盾する選択肢があり、それが正解となりますが、多くの場合は本文に情報がないものが答えです。
「ないものを探す」ことはできないので、「あるもの」を消去して解かないといけません。4つの選択肢のうち、3つの情報を本文から見つけ出すことで消去していくので、答えを導き出すのに時間がかかります。そのため、TOEIC®のリーディングセクションの100問すべての問題を解くのに時間が足りないと感じている場合は、時間管理の観点から、この問題を後回しにしましょう。
【ヒント3】自分のもっている背景知識を使って解かないこと
自分の常識を元に考えて問題を解こうとすると、正解にたどり着けなくなる落とし穴にはまることがあります。TOEIC®に限らず、あらゆる読解問題において、本文で述べられていることから論理的に解答を導く力が求められています。「述べられていることだけに集中して読解問題を解く」というのは受験のための大切な心得です。ファクトチェックが不十分で、万が一事実と異なることが書かれていたとしても、読解問題であれば、その記事に書かれていることが正解となり、実際の社会において正しいかどうかは関係ありません。それは読解問題の性質上、致し方ないことです。例えば、セールの割引率が90%と書かれていても「そんな割引率だったら営業できないだろう」などと考えてはいけないのです。
読解問題では、自分の背景知識を活用せずに目の前の情報だけを信じて問題を解きましょう。
TOEIC®の長文読解は慣れてしまえば、問題作成者が尋ねそうなこともわかるようになるほど、パターン化されています。
練習量をこなしていき、その「問題作成者が狙いそうな箇所がわかる」という領域に達している学習者がたくさんいます。練習あるのみです!がんばって練習量と学習時間を確保してくださいね。
コロンビア大学大学院ティーチャーズカレッジ修士号取得。外資系コンサルティングファーム勤務を経てから株式会社アルクと楽天株式会社にてビジネスパーソンの英語教育に従事。さまざまな英語スピーキング試験の試験官資格を有する「英語力評価」の専門家。著書に『ロジカルに伝わる英語プレゼンテーション 』などがある。