「ボヘミアン・ラプソディ」職場で役立つ英語 パート1
イギリスのロック・バンド、クイーンの伝記映画『ボヘミアン・ラプソディ』(2018年)は、日本でも大ヒットしました。主演のラミ・マレックがアカデミー賞で主演男優賞に輝いたことも、皆様の記憶に新しいのではないでしょうか。そんな『ボヘミアン・ラプソディ』から、職場で役立つ英語の台詞を探るシリーズの第1回です。
バンド加入前のフレディ・マーキュリーが、自宅で母親と妹といるところに、父親が帰宅します。妹が父に次のように挨拶します。
“Hi, Papa. How was work?”(パパおかえりなさい。仕事はどうだった?)
「おかえりなさい」に相当する英語は “Welcome home”ですが、長期間不在だった相手ではなく、毎日顔を合わせる人であれば大げさなので、普通は“Hi”と言います。
また、英語では“Hi”や“Hello”に、この場合のように呼び名や名前を添えることが多いです。ちなみに「学校どうだった?」と子供に聞く場合は、“How was school?” になります。
似た文で1日の終わりに職場で使える、以下のようなものがあります。
“How was your day?”(今日一日どうだった?)
言いやすいですね。しかし、いざ自分が聞かれたら何と返事していいか分からない場合は、以下2通りの返答を丸暗記してしまいましょう。
いつものルーティン・ワークで疲れた1日の終わり、普段愚痴を言う関係にある親しい同僚に“How was your day?”と聞かれたら、“Same ol’ same ol’.”(いつもの調子だよ)と、「やれやれ」といった風情で答えてもいいのです。“ol’”は“old”を短くした口語で、「オー」と発音しますが、“Same ol’ same ol’.”全体の発音は、「セイモーセイモー」になります。覚えやすいですね。
“Same ol’ same ol’.”を普通の言い方に直すと、“Same as usual.”(いつも通りですよ)となります。代わり映えしない1日であったとしても、職場ではなるべく前向きな発言を心がけたいものです。
“Same as usual.”だけではそっけないので、マグカップを手にこんな言葉を続けてみたらどうでしょうか?―“But at least I get to enjoy a cup of coffee.” (でも、せめてもの珈琲1杯を味わえるから嬉しいです)。この場合の “get to”は、今またはこれから、何か良いことの「機会を得る」の意味なので、この文の響きはネガティブではなく、うきうきした感じです。
月曜日、会社で“Good morning+名前”に続けて、次のように聞くこともあります。日常会話でも非常によく交わされる言葉です。
“How was your weekend?”(週末はどうだった?)
おでかけ等の特別なことをしていなくても、“Oh, I saw this interesting movie on Netflix.”(ネットフリックスで面白い映画観てね~)のように答えれば、会話のキャッチボールを始めることができます。
著書に『ビートルズは何を歌っているのか?』『クイーンは何を歌っているのか?』『ルート66を聴く-アメリカン・ロード・ソングは何を歌っているのか-』がある。洋楽歌詞解説者としてNHK-FM「ディスカバー・クイーン」等に出演。フジテレビ系「関ジャニ∞クロニクル」(英会話伝言ゲーム等)の製作・英語監修、関ジャニ∞「All You Need Is Laugh」の歌詞監修と特典映像の制作・出演もしている。上智大学文学部英文学科卒。米国10年、中国4年滞在。