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【英語研修お役立ち情報】第2回「テストを効果的に位置づける方法」

2021/10/29

前回は学習が続かない理由として、「英語学習の意味の弱さ」があること、そして英語学習の雰囲気を作るためには「競争意識」ではなく「共走意識」が大切であることをお伝えしました。
今回は研修の効果測定に使うテストの効果的な活用法です。

多くの研修において、研修後の効果測定にテストを活用しています。
テストにおけるスコアなどの基準があることで到達目標が設定され、学習への動機づけを作り出すことができますし、その到達目標に設定されているスキルを習得するために学習を進めた結果、スキルアップやスコアアップを実現することができます。


このように、効果測定としてのテストがあることで学ぶための環境設定が生まれる一方で、研修内容と効果測定の内容が合わないことも多々あります。
例えるなら、ダイエットの効果測定に、持久走のタイムを使うようなものです。
確かに、数値化はできますし、体重が減ればタイムは短縮すると思いますが、何となくズレている感じがしませんか?
ダイエットにはダイエットに適した数値目標が、英語学習には研修で伸ばそうとしているスキルに適した数値目標が必要です。

たとえば、英会話の入門レベルのレッスンの効果測定に、何も考えずにTOEIC© L&Rテストを活用するのは、ダイエットの成果を持久走で測るのに近いかもしれません。もちろん、レッスンが悪いわけでも、テストが悪いわけでもありません。
研修とテストのつながりが弱いことが問題なのです。


そこで、オススメなのが、「研修とテストにつながりを作ること」、そして「到達目標であるテスト結果が、その先の未来にどうつながるのかを見せること」です。

上の例のように、英会話レッスンの効果測定にTOEICを活用する場合、英会話レッスンの中に、ビジネスで使われる表現の学習やロールプレイを取り入れることで、ビジネスの場面が多く登場するTOEICにつなげることができます。さらに、レッスンで身につけた知識やスキルがどのようにTOEICに効果的なのかを明確に伝えることで、レッスンがスキルアップだけでなく効果測定にも役立つことがわかります。
このつながりを明確にしておくことで、レッスンでの学びをTOEICに向けた単語や文法学習などの自己学習につなげることもできますし、そこで身につけた単語や文法力を活用してTOEICのリスニング力やリーディング力を高めるトレーニングへとつなげることもできます。

さらに、テストで到達目標を達成することが、社員の皆さんの未来にとってどのような意味があるのか、を見せることにより、「英語力を伸ばす現在」と、「英語を使う未来」が直線でつながります。

このように研修と効果測定のつながり、そしてその成果と未来がつながることで、テストの位置づけが学習効果を高める結果となります。

次回は「すべてに共通する上達のプロセス」です。

早川幸治

SEから英会話講師へ転身。その後、TOEIC対策を中心とした英語セミナー講師として、これまで大手企業からベンチャー企業まで全国約200社以上での研修を担当してきたほか、大学や高校でも教える。脳や心の仕組みを活用した学習法を提唱し、上達の本質を英語学習に応用している。
高校2年で英検4級不合格から英語学習をスタート。苦手意識を克服した後、TOEIC 990点(満点)、英検1級。著書は50冊以上。雑誌連載のほか、企業における学習コンサルティング、セブ島留学TOEICプログラム監修、「英語思考」を用いた日本語プレゼン研修も担当。2011年5月から毎日英単語メルマガ「ボキャブラリーブースター」を配信中。

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