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リスニングを上達させるには

2023/07/12

大人の学習者は、英語の聴きわけを体感していく前に、リスニングやスピーキングのルールを理解してから学習すると効率よく学べます。


<基本ルール>

1. 日本語にはない音

分かり易い例は、rとlです。日本語には、正確にいうとどちらの音もないので right 、lightのように単語だけで言われるとその音の区別ができません。


2. 音の変化

英語では文章中の2つの単語が連結して発音が変わる現象が起こります。

リンキング(linking)
リンキングは音の連結による変化をさします。(フランス語ではリエゾン[liason])
・子音+母音(t+o)front of (フロントオブ)⇒ frontof(フロンタブ)
・子音+子音(t+y)meet you(ミートユー)⇒ meechu(ミーチュ)

リダクション(reduction)
音が脱落する現象です。私たちの耳にはほとんど聞こえてこない音となります。
・Fish and chips ⇒ fish’n chips(フィッシュンチップス)

フラッピング(flapping)
フラッピングはtの前後が母音でtのすぐ前にアクセントがある時、tの音がdの音や日本語のラ行のように発音される現象です。
・Waterのtがウァダーやウァラーのように発音される現象です。


3. リズム

英語には強弱のリズムがあります。強くストレスされる語をコンテンツワード (content words) と言い、英語を理解するためのワードとなります。

When are you coming to dinner?
*この文のコンテントワードはWhen、coming、dinnerとなります。また、強弱弱、強弱弱、というリズムになっています。


上述したルールを理解しても、カタカナ語がしばしばリスニングの妨げとなります。

例えば、localをローカルと聞こえると思っている方はいませんか?単語末のlは「ゥ」のように聞こえる現象があり、実際は、ロコゥのように聞こえます。このようなカタカナ語から生じる間違った音のイメージを修正しながらリスニングを向上させることが必要です。


リスニングを上達させるには・・・

  • 間違った音声イメージを修正する。(音・文字・意味を一致させる)
  • 消える音を分かるようにする。(聞いた音をカタカナで書いてみる)
  • 聞くための知識を増やす。(文法、語彙、背景情報)

あなたの脳は、カタカナ語で理解するフレームができています。そのため、フレームを修正する必要があります。

まずは、文字を見ずに聞き取る練習をします。次に、聴いた英語を文字で書いてみます。書けない場合は、あなたが聞こえた通りにカタカナで書いてください。話されている英語は、あなたが書いた音に近いはずです。最後に英語の文字をみます。

音、文字、意味を一致させることで正しい音声イメージに修正していきます。


川島多加子

サンフランシスコ州立大学大学院英語教授法で修士(MA/TESOL)を取得後、日立外国語研修所、日立総合経営研修所などのマネージャを歴任し、2011年より日立グループコーポレイト施策若手海外派遣プログラムの企画・運営マネージャをつとめ、毎年1000名の若手人財を様々な海外プログラムに派遣した。日本では数少ないATD (formerly, ASTD)* トレーナー資格も有している。日立を定年退職後は、著名大学の非常勤講師として英語や異文化を教えている。社会活動は、NGO生命の碧い星理事(国連担当)として2020年まで活躍。2005年、2010年、2015年の国連欧州本部での青少年による平和の提言の司会や学生のスピーチを指導。
*Association for Talent Development (formerly, American Society for Training&Development)

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