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英語学習のモチベーションを維持するコツとは?継続させるために必要な知識と具体的な対策法をご紹介

2022/05/17

英語学習を継続するためにはモチベーションの維持がカギとなりますが、それは簡単なことではありません。どの学習段階でもモチベーションを落としてしまう要因がさまざまあります。

例えば学習コースの初期段階でモチベーションが低下してしまう学習者もいます。それは、英語から長年離れていたせいですっかり英語を忘れてしまっていたり、日々の仕事に追われ学習がついつい後回しになってしまっているなど様々な要因が考えられます。

反対に、コースの後半でモチベーションが低下してしまう学習者もいます。これは、一生懸命学習したにも関わらずあまり上達を実感できていない、または設定した目標には到達したものの、そこからどうすれば良いか分からないという声が多くみられます。

一度モチベーションが低下した学習者が再びモチベーションアップすることは果たしてできるのでしょうか?残念ながら多くの場合答えは「No」ですが、学習者のモチベーション低下を最小限に抑え、またそこから早く回復させる方法があります。

  1. 2種類のモチベーション
  2. 英語学習のモチベーション低下に繋がる原因
  3. 英語学習中モチベーションを維持するための対策法
  4. まとめ

2種類のモチベーション

英語学習のモチベーションが高い女性のイメージ

モチベーションとは、何かを達成させたいという願望を意味します。達成感があればある程学習者のモチベーションは高くなります。

モチベーションには内発的と外発的の2つあり、それぞれ「内発的モチベーション」と「外発的モチベーション」と呼ばれます。

この2つはどちらも英語学習を成功させるために必要で、かつ効果的なものです。

内発的モチベーションが高い学習者とは、自己の目標や興味、好奇心の追求に喜びを見出すタイプであくまでも自ら進んで学習します。

例として、将来昇進を希望している人がいて、英語のスコアが昇進条件の1つにあった場合。また、海外赴任や海外の仲間と仕事がしたいという希望があり、英語が必然的に欠かせない条件の場合。

どちらも純粋に自己成長を目指し続けることがベースにあります。

それに対して外発的モチベーションが高い学習者は、外部、他の人によって提供される報酬(試験合格、昇給、ボーナスなどの金銭的報酬や昇進など)を目当てに学習します。

例えば、コース修了条件を満たすことで付与される還付金のために頑張るのはこのタイプに当てはまります。

あるいは、内発的と外発的両方のモチベーションを持っているパターンもあるでしょう。

海外での仕事を希望しているが、コースを修了して付与される還付金も欲しい場合などはこちらに当てはまります。

さらに、英語学習中に2種類のモチベーションのバランスが変化する可能性もあります。

最初は海外赴任のために必要な英語力強化がモチベーションだった学習者が、業務が忙しくなるにつれて気が付けばコース修了の還付金を貰うことがコースを続けるモチベーションになっていた、なんていうこともあるのではないでしょうか。

内発的モチベーションと外発的モチベーションのどちらの方が大切ということはなく、どちらも英語学習を継続させる上で必要な要素になります。

英語学習のモチベーション低下に繋がる原因

英語学習のモチベーションが低下している女性のイメージ

残念ながら一生懸命取り組む学習者でさえコースの途中でモチベーションを失い、結果的に合計学習時間が減ってしまうこともあります。一般的に英語学習中のモチベーション低下に繋がると言われている原因を見てみましょう。

学習者のレベルと学習内容が合っていない

学習コースを選ぶ際、コース内容が学習者の英語レベルに合っていないとモチベーションは下がりやすくなります。

難易度の高すぎるコースを選択してしまった場合、達成感が得られずモチベーションはすぐに低下します。最初はやる気があっても、内容が理解できず、間違いが多ければがっかりしてしまいますね。
反対に、コースが易しすぎる場合も同様で、費やした時間に対して得るものが少ない場合もモチベーション低下に繋がります。

例えば、ピアノを習い始めたばかりの初心者がいきなりベートーベンの曲を練習し始めた場合、相当な練習時間と努力の末に弾けるようになるかもしれませんが、実際にはその前に挫折してしまうでしょう。逆にある程度ピアノが弾ける場合、既に弾ける曲ばかり弾いていてはそれ以上の上達はなく、モチベーションが下がる原因となります。

学習者の課題意識と学習目標が合っていない

学習者の課題意識が学習内容と合っていない場合、モチベーションの低下に繋がります。

例えば英語での交渉力やプレゼンテーションスキルを身に付けたいと思っている学習者がいたとします。しかし、実はこの学習者はその前にもっと英語の基礎力を固める必要性があるのですが、学習者自身は教育のプロではないためそこになかなか気付くことができません。

同様に、スピーキングやライティング力に課題のある学習者がいたとしましょう。
この場合、実は文法の基礎力が根本的に不足しているためコミュニケーションに誤解が生じたり文章が不完全なものになったりするのですが、こちらもなかなか本人だけでは気付くことができません。

必ずしもこれが学習目標と学習内容の不一致ということではありませんが、どちらも英語力を伸ばすためには基礎力の強化が必要だということが共通しています。講師は学習者がどのように英語の基礎力を強化し、そしてなぜ基礎力の強化が英語力の上達に繋がるのか学習者に理解させる必要があるでしょう。

学習内容に興味が持てない

英語学習コースで取り扱われる学習内容に興味が持てない場合、学習者のモチベーションは短期的に低下します。

学習内容ミスマッチの例はいくつかありますが、例えば、時事ネタを使った学習問題に興味のある人もいればそうでない人もいます。また、空欄穴埋めエクササイズは活用の仕方によっては効果のある学習方法ですが、延々と出題されるようでは学習者も英語学習に対する興味を失ってしまうでしょう。単純な学習に留まらせないために、さらに意味のある内容や使う場面、頻度に注意を払うことが必要です。

学学習目標設定が明確でない、あるいは現実的でない

目標設定をすることで学習する目的ができますが、その目標が曖昧あるいは現実的でない場合が多く見られます。次の例を見てみましょう。

英語をもっと流暢に話したいと思っている学習者がいたとします。しかし、「英語をもっと流暢に話したい」という目標設定は漠然としています。

別の例として、「海外の同僚との英語での会議に参加できるようになりたい」という場合。学習者の英語のレベルにもよりますが、どちらの目標もやや曖昧で現実的ではありません。

目標設定はそこに到達するために実際何をすべきか、具体的な目標設定も必要になります。

1つ目の「英語を流暢に話せるようになりたい」という目標の場合、まず語彙力や文法の強化が必要な場合もあるでしょうし、ある程度の語彙力や文法力はあっても、知っているだけで使えない場合は使いこなせるようにする必要があります。そのため「英語を流暢に話せるようになりたい」だけではあまりにも漠然とした目標設定です。

2つ目の「海外の同僚との英語での会議に参加できるようになりたい」では、英語の会議に参加できるようになるにはまずリスニング力の強化が必要になるでしょう。そこで繋ぎ言葉(for exampleやbutなど)を学び練習していく中で自然な会話の流れに慣れ、実際の会議で同僚の言っていることが理解できるようになるのです。

設定した目標が現実的なものでないと、次のような問題も起きます。
掲げている目標に到達する途中にいくつかのステップを踏まなければ、学習者はゴールの見えない中ひたすら頑張ることはできません。

例えばTOEICで800点を目標としている初級者は、まず400点を目指すべきです。その後500点、600点を目指していくべきです。さらに、400点を取るためには具体的にどのようにしたら良いのか、という明確な指標がなければモチベーションが低下してしまいます。

学習者自身が上達を実感できていない

明確で到達可能な目標設定でない場合、学習者はなかなか上達を感じることができません。例えその学習者が実際に上達していても、進捗が可視化されていない、あるいはゴールが見えない場合はなかなか実感できないものです。

学習内容が難しすぎる、あるいは易しすぎるなど学習内容がマッチしていない場合も学習者は上達を感じることができません。この場合、上達の速度が遅かったり、あるいは目標達成とは別方向へ向かってしまっている可能性があります。

進捗はモチベーションを維持するために必要不可欠なものです。上達を感じられない停滞感はモチベーションを低下させ、学習の中断に繋がってしまいます

英語学習中モチベーションを維持するには

モチベーションを維持するにはモチベーションの方向を示したイメージ

英語学習におけるモチベーション低下の原因が分かったところで、次は対策方法について見ていきましょう。

まず、何か1つの方法でモチベーション低下を防げるものではありません。
モチベーション低下に繋がる原因が複数あるように、その解決方法も複数を組み合わせて適用することが効果的です。

学習目標と学習者のレベルに適切な内容のプログラムを受講すること

英語学習の適切な内容とは、レベル感や学習目的と合っていて、興味を持って継続できるものです。

まずレベルですが、最終ゴールのレベルではなく、学習者の現在のレベルより若干高いものを選択しましょう。

大きな進歩をごく稀に経験するよりも、小さな進歩をこまめに味わえる状況の方が満足度は高くなります。適切な内容を学習することで学習者は内容をきちんと理解することができ、さらに新しい知識をエクササイズで定着させることで正しく使えるようになります。

難易度が高すぎる内容を学習した場合はどうでしょうか?
学習すべき内容以外にも理解できない言葉がテキスト内にたくさんあると、学習者は本来学習すべき内容に集中できず、その結果学習内容を定着させることができません。

多くのコースはTOEICスコア、あるいは「〜をすることができる can do」に基づいたCEFRのカテゴリーでレベル分けがされています。
ここでの注意点は、TOEICスコアは受験後6ヶ月以上経つとやや古く、2年以上経ってしまうと英語のレベル証明としては有効ではないとみなされます。
これは6ヶ月前や2年前と同じ英語力が現在もあるか分からないためです。

私たちは短期間で多くのことを学ぶことができますが、同様に多くのことも忘れてしまいます。そのため長い期間英語に触れていない学習者の場合、現在の英語力よりも過去のスコアの方が高いことがあります。逆に日々英語を使用する学習者の場合は、過去のスコアの方が今の英語力より低いものになるでしょう。

ヒント:コースを始めるにあたり、何らかの方法で学習者の現在のレベルを把握できると良いでしょう。

次に、学習の目的に合わせて適切な教材を選ぶことも同様に大切です。前に述べたように、学習目的を達成するための最初のステップとして、一見無関係に思えるかもしれない他のスキルを強化することが最終目標に到達するための近道の場合もあります。しかし、学習内容としては、すぐに、あるいは後々役立つ内容でなければ学習者のモチベーションを維持することはできません。

ヒント:そのため、コースを始めるにあたり、学習者は何を学び達成したいのか、果たしてそのコースで実現可能かどうかを判断する必要があります。

最後に、学習者の興味について考えましょう。どんなに教材が学習者のレベルと学習目的に合っていても、学習者の興味を引く内容でない場合は学習の中断に繋がります。

ヒント:様々な学習者の興味に対応し学習継続を促せるよう、英語コースは多岐にわたるテーマやコンテンツを扱う必要があります。

明確で現実的な目標設定をする

長期的な目標達成に向けて短期的な目標を設定し、進捗を可視化することはモチベーション維持の大きな要因

目標設定をすることは学習者の内発的モチベーションに良い影響を与えます。しかし単に漠然とした理想を掲げるのではなく、達成可能だと思える明確なゴール設定がモチベーション維持にはさらに有効になります。次の例を見てみましょう。

漠然:TOEICで今までより高いスコアを取る
明確:TOEICで100点スコアアップを目指す

漠然:会話力を高める
明確:英語で契約交渉をできるようになる

漠然:英語での会議に参加できるようになる
明確:毎月100語ずつ語彙力を増やし、英語の会議内容を理解できるようになる

上記の様に明確な目標設定をすることで進捗を可視化することができ、モチベーションの維持にも繋がります。
そして同時に、目標は短期的にそして現実的に達成できるものである必要があります。
言い換えれば、どんなに明確な目標でも達成不可能なもの、あるいは達成までに数年かかるものであった場合、モチベーション維持に繋がりません。逆に短期間で達成可能な目標は学習者のモチベーションを高めることができます。

ポイントは、長期的な目標達成に向けて短期的な目標を設定することで効果的になるということです。例えば、交渉力を最終目標設定にしている方は以下のような短期的目標設定を参考にしてみて下さい。

モチベーション維持のために重要な目標設定を解説しているイメージ

Goal 1: 2ヶ月以内に業務で10分間英語で会話する

Goal 2: 6ヶ月以内に業務で20分間英語で会話する

Goal 3: 8ヶ月以内に賛成・反対の繋ぎ言葉・フレーズを理解し使えるようになる

Goal 4: 10ヶ月以内に英語での契約交渉の会話に参加できるようになる

Goal 5: 1年以内に英語で交渉ができるようになる

学習記録をつける

いつ何を達成することができたか、新しい語彙をどれだけ学習したか、正解数は何問だったか?など、作成方法がどのようなものであっても学習記録をつけて進捗を可視化することでモチベーションの維持に繋がります。

学習時間よりも学んだ内容を記録することが大切です。例えば毎日30分学習することはとても良いことですが、学習内容を記録する方が学習記録としては重要になるのです。

学習者が行き詰まったり上達するスピードが遅いと感じている場合、この学習記録があれば、学習開始から現在までの道のりを振り返ることができ、ここまでやってこれたんだ!と実感することができるでしょう。

定期的にテストを受け学習進捗を把握する

学習進捗を確認する方法として、英語学習中に定期的なアセスメントを行う。

コース進行過程でテスト(アセスメント)を受けることが必要な理由

まず、学習者が自分の上達を把握することは簡単ではありません。一定期間学習していると、自分は果たして上達しているのかと不安に感じることもあるでしょう。しかし新しい知識は「聞く」「読む」スキルとしてインプットされ、その後徐々に「話す」「書く」スキルが強化されるのです。以前学習したことを様々なシチュエーションで実際に使いこなせるようになることも同様です。

アセスメントは学習者の進捗を可視化する上で役立ちます。

例えば、コース開始前後にTOEICを受験することで、コース期間中の進捗を確認することができます。
もしコース開始前に何らかのアセスメント測定をしていない場合は、コース期間中に模擬テストなどを受験することで弱点を認識し、どんなことを意識して学習していくべきか知ることができます。

最後に、テストのためだけに学習するということは外発的モチベーションに分類されますが、これはテスト前の振り返り学習の良い動機付けとなりますので押さえておきましょう。

学習目標や進捗状況を他の学習者と共有する

英語学習モチベーションアップのために目標設定をし、共有することの重要性を解説しているイメージ

多くの学習者は自身の英語レベルに自信がないことから他の学習者と目標や進捗状況を共有することに抵抗を感じやすいでしょう。しかし、他の学習者と目標や進捗状況を共有することは決して恥ずかしいものではなく、むしろお互いのモチベーション向上に繋がります。

周りが協力的な環境の中で目標を共有した場合、学習者はその目標に向かってさらに一生懸命取り組むものです。私たちの多くは周りにどう思われるか少なからず気にするので、学習者は自分の言ったことに責任を取ろうという意識が働き、そのおかげで学習に励むことができるのです。また、目標や進捗を共有することで、必要な時に周りのみんなが手助けしてくれるでしょう。

例として、ある学習者が毎月100語新しい単語を学習すると同僚の前で発表することにより、言ったからにはやらなきゃ!という心理がはたらきます。また、同僚が進捗状況を確認してくれたり、その目標を達成するために必要なアドバイスをくれるなど、これまで気付かなかった学びや知識が共有を通じて得られるかもしません。

特に個別学習の場合、進捗状況を共有することでモチベーションアップに繋がります。

1日15分学習していた人が他の人が2倍、3倍学習していることを知ってペースを上げることもあるでしょう。外発的モチベーションを上げるためには進捗状況を順位表で可視化することも有益と言われています。

必要に応じて学習目標を調整する

ゴールは設定してそれで終わりというわけではありません。ゴールまでの道のりには予期せぬ障害に遭遇したり、時には遠回りすることもあるでしょう。そのため、学習状況に沿って定期的に学習目標を調整することがモチベーション維持の上で大切になります。

ある学習者のゴールが会議で「同僚と英語で話す」ことだとしましょう。しかし、コース期間中に海外の社員が訪問してくることになったため、この学習者は一時的に学習目標を変えることにしました。しかし、最終的にそれが彼の学習を続けるためのモチベーションを高めるキッカケになった、という例もあります。

ゴールはあくまでも達成するためのものです。一度設定したものが絶対ではなく、臨機応変に対応することが英語学習中のモチベーション維持に繋がります。

学習を習慣化する

これまでにご紹介した上記の全てに加え、英語学習の習慣化を取り入れて学習の中断を防ぎましょう。結局のところ、モチベーション維持のために行動や姿勢を変えるだけでは十分でない場合もあるのです。多くの場合、最初の数日や数週間は頑張るものの、少しずつ学習量は減っていきます。

習慣に関しては、行動と見返りが重要になります。習慣は一晩で身につくものではなく、繰り返しと報酬によって定着させることができます。

ここでいう行動とは学習の継続化であり、これが習慣になるのです。良いゴールの1例として、毎日決まった時間に学習することです。これにより行動を起こすという報酬を得ることができます。習慣とモチベーションを維持するためにどちらも必要なことです。

私たちが行う事の75%は実際には報酬によるモチベーションですが、毎日・毎週自分自身にご褒美を与える人はほとんどいないでしょう。しかし、学習者が毎日学習した場合、例えば美味しいコーヒを飲む、デザートを食べる、あるいはお気に入りの動画をNetflixで見るなど自分にご褒美を与えることはモチベーション維持に効果的なのです。

英語学習を楽しむ

最後になりますが、楽しく学習することについてです。語学を学ぶことは簡単ではなく、日々の忙しいスケジュールの中で時間のやりくりが必要になりますし、一生懸命に取り組んでいる学習者でさえ時にストレスを感じることでしょう。

本来英語学習は仕事の一環ではなく楽しくあるべきで、上達に喜びを感じ、そして長期的目標に一歩ずつ近づいていけることに喜びを感じられるものなのです。

まとめ

英語学習中はどこかの時点で学習意欲が低下するのは避けられない事象です。しかし、あらかじめこのことを踏まえ、モチベーションの低下を最小限に抑える対策を行うことで、早く回復させる方法を押さえておきましょう。

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