【目から鱗が落ちる英語情報】第4回「ビジネスに役立つビートルズの交わした会話 パート3」
ドキュメンタリー映画『ザ・ビートルズ:Get Back』は、ビジネスに役立つビートルズの生きた会話が満載です。今回は、初対面の相手と交わす挨拶と、人を紹介する際の表現をみていきましょう。
ビートルズがブレイクする前のドイツ巡業で知り合った、アメリカ人ミュージシャンのビリー・プレストンが、スタジオを訪れます。ジョン・レノンは、プロデューサーのジョージ・マーティンにビリーを紹介します。
John: “Have you met Billy, George?”
ジョン:ジョージ、ビリーとはもう会った?
Martin: “How do you do, Billy?”
マーティン:初めまして、ビリー。
John: “That's George Martin, our A&R man. That's Billy. We played with him in Hamburg. He was backing Little Richard.”
ジョン:あちらはジョージ・マーティンで、僕らのA&R(音楽業界の職種)。あちらはビリー。僕らはハンブルグで一緒に演奏をしたことがあるんだ。彼は、リトル・リチャードのバックで演奏していてね。
マーティンの言う“How do you do?”は、英国紳士の彼らしい表現です。日本語で「初めまして」と訳されることの多いこの挨拶は、現在ではフォーマルな場でしか使われなくなりました。疑問符が付きますが、疑問文というよりも、初対面の相手に「こんにちは」のイメージで使い、正式な返答は “How do you do?”です。最近は、 “How are you?”(元気ですか?)と同じ意味で、疑問文として使う人もいるようです。
「はじめまして」の意味で使う挨拶のお勧めは、 “How do you do?” よりも頻繁に使われる、 “Nice to meet you.”(お目にかかれて嬉しいです)です。返答は “Nice to meet you, too”(こちらこそ)になります。初対面の相手を紹介されてすぐ、マーティンのように相手の名前を「はじめまして」に続けて言えると、断然好印象になります。
「ジョンはスタジオで2人から少し離れた所にいるので、 “That’s”(あちらは)と言っていますが、人を紹介する時は、間に立って “This is +名前”(こちらは~です)と、手を添えながら1人ずつ紹介します。ジョンは、続けてビリーとの関係を説明していますが、社交の表現が自然に身についているようで、見習いたいところです。
著書に『ビートルズは何を歌っているのか?』『クイーンは何を歌っているのか?』『ルート66を聴く-アメリカン・ロード・ソングは何を歌っているのか-』がある。洋楽歌詞解説者としてNHK-FM「ディスカバー・クイーン」等に出演。フジテレビ系「関ジャニ∞クロニクル」(英会話伝言ゲーム等)の製作・英語監修、関ジャニ∞「All You Need Is Laugh」の歌詞監修と特典映像の制作・出演もしている。上智大学文学部英文学科卒。米国10年、中国4年滞在。