【目から鱗が落ちる英語情報】第5回「ビジネスに役立つビートルズの交わした会話 パート4」
海外と取引をするビジネスの会合において、最初の難関は挨拶です。
どんな振る舞いが必要なのか?何を言えばいいのか?挨拶されたら何と返事をすればいいのか?―と、頭に疑問符がいっぱい並んでしまいますよね。
そこで参考となるのが、ビートルズが職場で知人と数年ぶりに再会した際のやり取りです。
ディズニープラスでの配信に続き、待望のDVD/Blu-rayが発売されたドキュメンタリー映画『ザ・ビートルズ:Get Back』から、今回もビジネスに役立つビートルズの会話をみていきましょう。
アメリカのミュージシャン、ビリー・プレストンがスタジオにいるビートルズを訪れ、みんなで嬉しそうに握手を交わします。
コロナ禍では、拳と拳を合わせるフィスト・バンプ(グータッチ)が挨拶の主流となりましたが、海外では、握手やハグなどの挨拶も戻りつつあるようです。
出身地やカルチャーによっては、チークキスをする場合もあります。チークキスとは、相手と向き合って頬と頬を近づけてから、口をとがらせてエアキス(キスのふり)をする挨拶です。続けて反対の頬をやる人もいます。
ビジネスの場では様々なカルチャーの人がいるので、どの挨拶をするのか、体を近づけつつ相手の出方を見るのがいいでしょう。慣れれば、落ち着いてできるようになります。
ビートルズとビリーは、握手をしながら “How you doin’?”、 “How are you?”と言い合っています。どちらも同じ「元気?」の意味で、前者はくだけた言い方なので、後者を使うことをお勧めします。 “How are you?”に対する返事ですが、ビジネスでは「疲れています」等の悪いことは言いません。覚えやすいのは、 “fine”または “good”(どちらも「元気です」の意味)で、 “fine”は声のトーンにより「まあまあ」に聞こえてしまうので、お勧めは “good”です。 “Good, good.”と2回繰り返すと、ぶっきらぼうに聞こえません。
もう1つビリーとビートルズがしきりに言っているのは、 “Good to see you.”(会えて嬉しいです)。この挨拶は、彼らのように久しぶりの再会でなくても、ばったり知り合いに会った際にも使えます。返事は決まっていて、 “You too.”(こちらこそ)と返します。
「 “Me too.”じゃないの?」と思われるかもしれませんが、 “Good to see you, too.”(私もあなたにあえて嬉しいです)を短くした言葉なので、 “You too.”が正解です。
著書に『ビートルズは何を歌っているのか?』『クイーンは何を歌っているのか?』『ルート66を聴く-アメリカン・ロード・ソングは何を歌っているのか-』がある。洋楽歌詞解説者としてNHK-FM「ディスカバー・クイーン」等に出演。フジテレビ系「関ジャニ∞クロニクル」(英会話伝言ゲーム等)の製作・英語監修、関ジャニ∞「All You Need Is Laugh」の歌詞監修と特典映像の制作・出演もしている。上智大学文学部英文学科卒。米国10年、中国4年滞在。