【目から鱗が落ちる英語情報】第3回「ビジネスに役立つビートルズの交わした会話 パート5」
ディズニープラスでの配信に続き、DVD/Blu-rayが発売されたドキュメンタリー映画『ザ・ビートルズ:Get Back』から、今回は、ビジネスでよく遭遇する3つのシチュエーション「部下へのあと一押し」「スケジュールの相談」「不在だった人への伝言」に最適な会話を学んでいきましょう。
ビートルズは、ショウと、それを記録した音源と映像のパッケージを作ろうと計画しています。新曲で構成されるため、曲を仕上げて覚える必要があるのですが、体力の限界に近づいています。プロデューサーのジョージ・マーティンと、監督のマイケル・リンゼイ=ホッグも交えて、週末いったん休んで本番の日を延期するのか、それともこのまま休まず続けて早めに終わらせるのか、スケジュールの相談をしています。
この難航するプロジェクトでは、必要な時に的確な助言をする良き上司のようなジョージ・マーティンが、ビートルズに次のように言います。
“Well, you're working so well together now. Let's keep it going.”
一致団結して、今はとてもうまくいっている状態だ。このまま進めよう
少し前までバラバラだったビートルズが、力を合わせて頑張っていることを褒めつつ、週末休まず働けと発破を掛けて、プロジェクトの遂行を目指す。さすがです。ポイントは、命令(~しなさい)ではなく、”Let's”(~しよう)と提案し、やる気を引き出していることです。
マイケルは、本番の日程を提案します。
“I think the thing is, we'll aim for Thursday.”
言いたいのは、木曜日を目標にしようということ
“the thing is”は、文の冒頭に置かれると「実は~」の意味もあるのですが、この場合のように、その直後に言うことが大切であることを知らせる役割を果たすことがあります。
“aim for”は、「~を目指す」で、ビジネスでは便利な言葉です。
ジョン・レノンが、会話に加わっていなかったポール・マッカートニーに、マイケルの言葉を伝えます。
“Michael was talking in terms of next Thursday.”
マイケルが、木曜の方向で話していたよ
“in terms of”は、「~関して」の意味で、比較的フォーマルな表現なので、ビジネスの会話にはぴったりです。
どうでしたか?今回紹介した定型表現を、英語と日本語両方のオンライン辞書や英語学習サイトで検索して、例文をたくさん集め、実践で使えるように身につけていきましょう。
著書に『ビートルズは何を歌っているのか?』『クイーンは何を歌っているのか?』『ルート66を聴く-アメリカン・ロード・ソングは何を歌っているのか-』がある。洋楽歌詞解説者としてNHK-FM「ディスカバー・クイーン」等に出演。フジテレビ系「関ジャニ∞クロニクル」(英会話伝言ゲーム等)の製作・英語監修、関ジャニ∞「All You Need Is Laugh」の歌詞監修と特典映像の制作・出演もしている。上智大学文学部英文学科卒。米国10年、中国4年滞在。