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受動態はいつ使う?
2022/12/23
こんにちは。今日はcoooriのe-learningシステム上で学習されている方から最も多い文法質問、受動態についてです。
受動態とは?
まず、受動態とは何かおさらいしましょう。「〜される / された」と言う、受身の情報を提示するときに使い、受動態は、be動詞+過去分詞で表します。
「過去形と過去分詞が同じ動詞だと、過去形なのか受動態の見分けがつかない」というご相談がありますが、見分け方は簡単です。ポイントはbe動詞の有無。be動詞が前にあれば、be動詞+過去分詞の形だとわかります。
例: I surprised her. (過去形:私は彼女を驚かせた。)
I was surprised. (受動態:私はおどろいた=驚かされた。) ※be動詞のwasがあります。
受動態がよく使われる場面は?
- 人の感情や状況説明
まず、一番よく使うのが感情の説明をするときです。中学校で学びますが、このコンセプトが日本人には少々わかりにくいようで、-ingで述べてしまうという間違いがよくあります。
○ I am surprised. (私は驚きました=驚かされました)
× I am surprising. (私は人を驚かせるような人物だ)
○ She was excited.(彼女はわくわくしていました=わくわくさせられていました)
× She was exciting. (彼女はテンションが高い人物だった)
○ We are tired. (私たちは疲れています=疲れさせられました)
× We are tiring. (我々は人々を疲れさせる人たちだ)
英語で感情を受動態で表す理由は、感情の動きは何かからの影響を受けるものと考えられるからです。その何かの影響を受けたものに感情の変化がもたら「された」から受動態を使うのです。 - 一般事象
行動を起こした人が多数いる場合など、主語がpeopleになるような場合、受動態を使うことがあります。
English is spoken in many countries. (多くの国で英語が話されている。)
主語をpeopleにすることもできます。
People in many countries speak English. (多くの国々の人々が英語を話す。)
しかしニュアンスがかなり変わってしまいます。英語は主語に焦点が当たる言語です。Peopleを主語にしてしまうと、「人々が」どうしているのかという着眼点で作られた文になり、「英語が」どういう言語なのか、というニュアンスが薄れてしまいます。このように、伝えたいことが何なのかを考えて、受動態を使うべきかを考えましょう。 - 行動を起こした人がわからない場合、重要ではない場合
誰が行動を起こしたのかが明確ではない場合、そして情報を伝えるのに人物が重要ではない場合などに受動態が使われます。
The building was built in the 1980s. (1980年代にその建物が建てられた。)
She was injured in the accident. (その事故で彼女は怪我をした。)
The window was left opened last night. (昨晩窓が開けっ放しだった。)
いずれも、誰がその行動をしたのかよりも「建物が建てられた」「怪我させられた」「窓が開けっ放しにされた」という事実を伝えたい場合に受動態で述べます。行動を起こした人を明確にしたい場合は、A famous architect designed the building in the 1980s. (有名な建築家が1980年代にその建物をデザインした)といったように能動態で伝えます。
日本語から直訳すると受動態が難しく感じるかもしれませんが、たくさんの英語に触れていると感覚的に使いこなせるようになります。ぜひcoooriのe-learningシステムなどで多くの英語に触れてくださいね。
コロンビア大学大学院ティーチャーズカレッジ修士号取得。外資系コンサルティングファーム勤務を経てから株式会社アルクと楽天株式会社にてビジネスパーソンの英語教育に従事。さまざまな英語スピーキング試験の試験官資格を有する「英語力評価」の専門家。著書に『ロジカルに伝わる英語プレゼンテーション 』などがある。