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弱点克服!「前置詞+which」をマスターしよう

2022/06/29

本日は、コーリの学習サポート事例として多いwhichの用法についてお話をします。
関係代名詞のwhich単体ではなく、前に前置詞を伴う「前置詞+which」の用法があります。
絶対に前置詞が必要な文に対して「なぜ前置詞がないといけないのかが理解できない」というお問い合わせをよくいただきますので、本日は「前置詞+which」の用法に焦点をあてます。


◆ which単体で使うには先行詞が必要

関係代名詞によって修飾される名詞句を先行詞と呼びます。例えばthe request which hasn’t been completed「未対応の依頼」はthe request(その依頼)が先行詞、which hasn’t been completed(まだ対応が終わっていないもの)が関係詞節です。しかし先行詞というキーワードを聞くと文法解説を読むのが苦手な人は「よくわからない!」と感じてしまうようです。そんなに難しく考えず、関係代名詞の前後で話しているものが全く同じものであるかを考えてみてください。この例においては関係代名詞のwhichの前後は共にthe request「その依頼」が話題です。この「同じ対象物のことを話題にしているか」という感覚をまずは身につけてください。


◆ 違いを理解しよう

以下の表現が文法的に間違いであり、またネイティブ感覚をもっている人にとっては意味不明な理由はわかりますでしょうか。

NG表現:a mobile application which users can share their files

なぜNGなのかを考えるために、意味を分解して考えましょう。which以降を文にして確認してみてください。 先行詞をitなどの代名詞で表せる場合にのみ、同じ対象物を話題にしており、whichを使うことができます。

例 1
a mobile application which he developed
→ It’s a mobile application. He developed it.
→ 2つの文が同じ対象物についてなのでこのwhichの用法はOK!

例 2
a mobile application which users can share their files
→ It’s a mobile application. Users can share their files. (ここにitを入れることはできません)
itを入れることができないので、このwhichの用法はNG!
この用法がNGの理由は、which以降は文のようになっていて、主語がusers「利用者」に変わっているからです。
whichの前はアプリの話をしているのに、whichの後は利用者についての話をしているのです。


◆ 前置詞を加えて話題を戻そう

では、whichの後半をまた「アプリの話」にするためにはどうしたら良いか考えましょう。

Users can share their files with it.
「それ(アプリ)を使って、ユーザーはファイルを共有できます」
とすれば、itを加えて、話をアプリに戻すことができます。前置詞withを加えることで、アプリの話に戻りました。このように加えたwithをwhichと一緒に用いれば、1つの文にまとめることができます。

a mobile application with which users can share their files
→ この前置詞+whichの用法はOK!
これが「前置詞+which」の用法です。


◆ よく使われる「前置詞+which」の用法と同義表現

with whichと同じ用法で使えるのはby which、そして、関係副詞であるwherebyです。

  • a mobile application with which users can share their files
  • a mobile application by which users can share their files
  • a mobile application whereby users can share their files


同じような考え方で理解することのできる表現にin whichがあります。

NG表現:the gym which the tournament is taking place
分解して考える:It’s the gym. The tournament is taking place in there.
前置詞inを加えたOK表現:the gym in which the tournament is taking place(トーナメントが行われている体育館)

このin whichはwhereに置き換え可能です。

  • the gym in which the tournament is taking place
  • the gym where the tournament is taking place


いかがでしょうか。意味を分解すると、関係代名詞which単体で利用可能か、前置詞が必要かわかります。この感覚をぜひ身につけてください。
コーリでは学習者のみなさんからのご質問に丁寧に対応しておりますので、ぜひコーリのE-learningシステムを英語力の底上げにお役立てください!



江藤友佳

コロンビア大学大学院ティーチャーズカレッジ修士号取得。外資系コンサルティングファーム勤務を経てから株式会社アルクと楽天株式会社にてビジネスパーソンの英語教育に従事。さまざまな英語スピーキング試験の試験官資格を有する「英語力評価」の専門家。著書に『ロジカルに伝わる英語プレゼンテーション 』などがある。

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