【英語研修お役立ち情報】第6回「少人数・大人数に向いている研修」
「研修は少人数のほうが良いに決まっている」と思われるかもしれませんが、内容によっては少人数でも大人数でも効果が変わらないものもあります。
今回は「少人数に向いている研修」と、「大人数に向いている研修」の2種類の研修についてご紹介します。
ポイントは「フィードバックの有無」「型の有無」「個別化の有無」です。
フィードバックや個別化が必要なものについては、ひとりひとりの状況に応じてアドバイスや方法が変わるため、少人数(マンツーマン~4人以下)が理想です。
一方で、フィードバックや個別化は不要で、さらに身につける内容に「型」があるものについては少人数でも大人数でも効果は変わりません。
まず、情報提供型や体験型の研修(セミナーやワークショップタイプ)であれば大人数で実施することができます。
モチベーションアップや初心者への学習体験、さらに目標設定などを扱う場合や、リスニング力やリーディング力などインプット力を高める内容であれば、少人数でも大人数でも効果は変わりません。また、テスト対策のための研修でも、同じレベルの受講者であれば大人数でも成果が落ちることはありません。
それをもとに、研修外で少人数にわかれて学習進捗度チェックなどを行うことで、大人数研修の弱点を補うことができます。また、大人数での研修には、多くの社員が同じ学びに参加することで、社内に学習文化を醸成する基盤を作るという役割も持たせることができます。
一方で、フィードバックを提供することで参加者への気づきや改善をうながす場合には、少人数またはマンツーマンで行うほうが効果的です。
このタイプには、英会話レッスンのほか、ディスカッションの実践やプレゼンテーションなどの発表を伴うものがあります。ひとりひとりに時間をかけることができるため、ピンポイントのアドバイスがもらえることで、上達のスピードは最大化します。
もちろん大人数であっても、数名だけが代表でフィードバックを受けて、それを見る大多数が「自分ごと化」することはできなくはありませんが、機会の提供としては若干弱いかもしれません。しかし、スピーキングやライティングであっても、話し方や書き方の「型」を身につけるような内容であれば、大人数で実施しても効果が減ることはありません。
少人数には少人数の、大人数には大人数のメリットがあります。
オンライン研修が主流となっているコロナ禍において、少人数はもちろんのこと、大人数の参加も容易となりました。個別対応の価値が必要かどうか、「型」を身につけるだけで上達が望めるかどうか、などを中心に人数規模を検討するとよいでしょう。
SEから英会話講師へ転身。その後、TOEIC対策を中心とした英語セミナー講師として、これまで大手企業からベンチャー企業まで全国約200社以上での研修を担当してきたほか、大学や高校でも教える。脳や心の仕組みを活用した学習法を提唱し、上達の本質を英語学習に応用している。
高校2年で英検4級不合格から英語学習をスタート。苦手意識を克服した後、TOEIC 990点(満点)、英検1級。著書は50冊以上。雑誌連載のほか、企業における学習コンサルティング、セブ島留学TOEICプログラム監修、「英語思考」を用いた日本語プレゼン研修も担当。2011年5月から毎日英単語メルマガ「ボキャブラリーブースター」を配信中。